ATAMI ART GRANT 2023の感想(1日目)
秋になると芸術祭がたくさん開催されてスケジュール調整が忙しい…!
今年の秋は奥能登国際芸術祭とATAMI ART GRANTに参加。
ということで、奥能登の感想は今度書くとして、直近に行ったATAMI ART GRANT 2023について感想を書いてみる。
ちなみに、基本的には全ての作品の写真は撮っているけど、印象に残ったものを中心にピックアップして感想を書いていきます。
概要
開催場所は熱海駅周辺。開催期間は2023年11月18日(土)から12月17日(日)。
PROJECT ATAMIというアートを盛り上げる取り組みの一環として、2021年から3年連続で開催しているらしい。
作家の数は50組となかなか多く、作品数もイベントを除いても30個以上あるようなので、おそらく1日では回りきれない。
会場も、メイン会場、駅前、シーサイドエリア、ACAO FORESTと駅周辺とはいえ少し散っている(特にACAO FORESTは熱海城の向こう側と、駅からそれなりに距離がある)ため、全部見きりたい方は1泊2日で巡るのをお勧めする。
熱海駅前エリア
まずはチケットを買いに行く。
駅南の坂を30メートルほど下ったところにインフォメーションがあり、ここで購入できる(他のところでも購入できるみたい)。
金額は3,000円。割とマイナーな芸術祭だから仕方ないけど、少し高い気もする。
ただ、前売りとかもあったみたいで、もう少し安く買えたようだ。
まぁでもイベントと会場の都市にお金を落とすことで、次年度以降も継続して開催してもらうためのお布施みたいなもんだ。あまり気にしない。
インフォメーションは結構目立つ装飾の緑の入り口。芸術祭のことを知らない人が、ちらちら中が気になるようだ。
なお、インフォメーションといっても、グッズも何も無い。というかこのイベント自体グッズが何もないようで、そこは少し寂しい気もする。
チケットはテレホンカードのようなものだった。大体こういう芸樹祭とかはスタンプラリーのような冊子になっていることが多いから、カードのチケットは珍しいような気がする。
9a トモトシ&TOMO都市美術館氏のシティ・オブ・ペットという作品。
都市をペットのイメージを重ねたもので、こちらが第三者から可愛がられているような感覚にさせられる作品。
犬のぬいぐるみ着た映像がシュールだった。
11 坂本森海氏のやわらかな石:温泉余土というARを使った作品。熱海駅のトンネル切削工事の際の石を、温泉余土として陶芸技法を用いて器を作成。
ARでどこにでも映すことができるため、なかなか面白い。
それにしても、地下通路がどこにあるか分かりづらく、結構迷った。
13 百瀬文氏のMelting Pointという体験型の作品。
静寂のカウンターでは、作家の体温と同じ温度に温められた白湯を飲むことができる。
ここも入り口が分かりにくい(というか本当にこの部屋に入っていいか迷う)うえ、部屋が静かすぎて、めっちゃ緊張した。
そういう意味ではある意味一番記憶に残った作品。白湯の温度は本当に人肌の温度で、何ともいえないぬるさ笑。
15b BYMAN氏のPortraitという絵画作品。モザイク画のように単純化されているけど、誰だか何となく分かる。おそらくマイケルジャクソンとフレディマーキュリー。
ちなみにこの作品の会場は坂の上のホテルにあるのだが、結構な坂で登るまで結構しんどい。
というか熱海の坂は思った以上に急坂で、少し侮っていた…
シーサイドエリア
ここには作品がかなり密集しているから取りこぼさないように見て回りたい。
ただ、ここで気づいたのだが、このイベントは案内表示が一切無いのだ。熱海という狭い道の特性もあったのだろうけど、もうちょっと案内には力を入れて欲しい…
19 副産物産店の廃景/熱海リサーチプロジェクトという自動販売機の作品。300円入れると小さい廃棄物を購入できる。
本当に廃棄物が出てくるのかと思って試してみたら、マジで小さな廃棄物とおそらく廃棄物が取れた所の写真?が付いているだけだった。悪い意味で期待を裏切らなかった笑
20 みょうじなまえ氏の羽化と孵化という作品。
性役割から解き放たれた存在を蝶として表現する。ディズニーとかのアトラクションのような雰囲気の作品だった。
22 原田裕規氏のHome Portという映像の作品。
ビルの屋上の廃スペースにあり、ハワイのラハイナの火事をモチーフにした作品。少しずつ映像が変化していく、いわゆるアハ体験の映像だ。
なお、同氏の作品は1階にもあり、何と30時間以上、地球上の生物を読み上げていく大作。逆に30時間くらいで本当に全部読み上げきれるんだろうか…
なお、このビルは廃ビルかと思うくらい、ややこしいところにあり至る所が傷んでいたが、どうやら人が住んでいるらしい。
16a 水田雅也氏の熱海鰐園という作品。過去に熱海に実在した鰐園を、知っている人間の話を聞き、再解釈。
結構真面目な内容の、研究発表のような作品だった。
16d 神谷紀彰氏の不在は器に随うという陶器の作品。
タオルの質感をした陶器が、熱海の風に揺られて、金属音のような打音が鳴り響く。
屋上には服の形の陶器がひっそりと設置されていた。デザインがどうみてもヤムチャにしか見えなかった。
他に、湯めぐりルートという名目で、AR作品が多数(他の会場も合わせて7作品)あった。
総じて言えるのは、カオスなものばかりで、お湯の要素があんまり無い気がする笑
他にも多数作品があるが、印象に残ったものはこれくらいか。
駅前エリアが2時間、シーサイドエリアが3時間くらい時間がかかったかな。まぁまぁ歩いたんで、結構熱海の町も満喫できた気もする。
日がだいぶ暮れてきたので、この日はこれくらいにしておこう。2
それにしても、11月も末ともなると、1日が本当に短いなぁ…